価格帯にばらつきのあるハンモック
日本で流通しているハンモックの価格は、安いもので5,000円〜6,000円台の価格帯の商品から、20,000円〜30,000円の価格といった具合に価格帯にはばらつきがあります。
もちろん、ハンモックの布だけの商品・ハンモックスタンド付きの商品など様々な商品がありますが、今回はハンモックスタンドが付属した自立式ハンモックに絞って、安めの価格帯の商品と、高めの価格帯の商品では何が異なるのかを紹介していきたいと思います。
ハンモックの値段を左右するポイント
商品を販売する業者もビジネスと活動しているため、材料を仕入れた素材の値段に、ハンモックを商品を仕上げるまでの人件費や加工するための工賃や物流費など、商品の製造〜お客様の手元に届くまでの費用を加味した上で販売価格が設定されています。
実際ハンモックの価格の差を決めるポイントはいくつかあるため、1つずつ解説していきます。
使用している素材
対象のハンモックにどんな素材を使用しているかは、商品の値段設定に大きく影響します。
素材を安いものを使用している場合であれば比較的低めの値段設定にすることもできますが、高めの良い素材を使用している場合であれば、素材自体の価格を下回るような価格設定にはまずしないため、必然的に商品の販売価格も高くなる傾向があります。
ハンモックの素材では布に各社の特徴が現れやすく、伸縮性の高い綿(コットン)100%の素材を使用しているものもあれば、ナイロン素材の生地、紐を編み込んだようなネット生地などさまざまです。
使用している素材によって値段が安い素材、高い素材とさまざまですし、同じ素材でも仕入れる業者が違えば値段が変わることもあり、販売価格にも影響してきます。
製造方法
製造方法はネットで購入する場合であれば気づきにくいポイントにはなりますが、こちらもそれぞれのハンモックで特徴があり技術の差が出やすく商品の安全性や耐久性に直結する大事なポイントでもあるため値段にも影響してきます。
自立式ハンモックのハンモックスタンドであれば、部品同士を接合する際の溶接作業の丁寧さが挙げられ、実際に作業をする国の人件費にもよりますが丁寧な作業はそれなりに時間をかける必要があるため、価格も高くなる可能性があります。
ハンモックの布であれば、布自体の生地の編み込み製法や体重の負荷がかかりやすい紐部分に特徴が現れやすくなります。
特にハンモックの紐部分に関しては、長期間使用できる耐久性の高いハンモックかどうかを決めるポイントにもなり、ここにこだわって高い耐久性を実現している場合は手間がかかった製造をしているため、価格にも影響してきます。
為替の差
現在日本で流通している商品で、原料となる素材や部品が全て日本国産という商品は私の知る限りはありません。
自立式ハンモックのハンモックスタンド、組み立てるためのネジ、吊り下げるためのハンモックの布それぞれが海外から輸入しているということも考えられます。
ハンモックブランドによっては、海外ブランドの商品もあるため、海外で製造されたものを輸入という形で日本で販売しているケースもあります。
完成したハンモックの輸入であれ、部品ごとに輸入する場合でも当然輸入の際には日本円と海外の通貨の為替の影響で都度仕入れの価格が変化します。
2022年以降は円安(日本円の価値が下がっている)が進行しているため、相対的に海外から仕入れる商品の値段が高騰しているケースもありますので販売価格にも影響が出ています。
購入後のサポート体制
購入後のサポート体制でも値段の差がでる可能性があります。
購入後のアフターフォローが手厚かったり、交換返品対応、電話の対応、メールの対応など、人の手がかかるサポート体制をとっている場合はその分の人件費がかかっている可能性があります。
ネットショップに問い合わせをすると、カタコトの日本語でなかなか意味が伝わらなかったり、問い合わせ内容に対して適切な回答が返ってこずにモヤモヤした気持ちになる場合もありますが、そういった事が無いようなサポート体制を組んでいる企業はその分商品の値段に反映している場合があります。
メーカーの考え
最後に紹介させていただくポイントとして、製造・販売するメーカー(ブランド)の考え方の差があります。
現状の商品に満足せずにより良い商品づくりのために時間と労力をかけるメーカーやブランドであればあるほど、研究開発費などのコストをかけて商品の改善に勤しみます。
商品開発にはより良い商品にするために他社商品の研究や、場合によってはハンモックとは関係のない製品からヒントを得ることもありますが、それを実現するためには人件費やサンプル品の製造、検査の費用など一定の時間とコストがかかります。
企業として営利目的に活動している以上赤字になるような経営はなかなかできないため、販売する商品の価格設定の中で、開発コストを上乗せしているメーカーもあり、より良い商品開発を考えるメーカーであればあるほどそういった傾向が見られます。
ただ、中には安価で仕入れ・製造した商品を相場に合わせて高めの価格設定で販売するコピー商品や粗悪品を販売する業者もいるため注意が必要です。
価格で妥協していない?ハンモックを選ぶポイント
価格の差が現れるポイントを紹介させていただきましたが、せっかく購入するハンモックを価格で妥協してしまうということは後々の後悔につながる可能性もあります。
寝心地が良いハンモックか
まず重視したいのは何よりも寝心地の良いハンモックかどうかという点です。
寝心地が悪ければせっかくのハンモックもいずれ使用しなくなってしまって購入したお金が無駄になってしまう可能性もあります。
「リラックスしてくつろぎたい」と思って興味を持ってもらうことが多いハンモックですが、商品選びをしているうちに本来の「リラックスしてくつろげるハンモック選び」から、「価格を重視したハンモック選び」に目的が変わってしまうこともあります。
価格を重視して寝心地を重視せずに購入して、結局買い直すことになって余計なお金をかけてしまったという経験を持つハンモックユーザーも多いため、購入前には今一度ハンモックに何を求めるのかということを考えるようにしてください。
長く使用できる、耐久性の高いハンモックか
ハンモックは商品選びと使用方法を間違えなければ、長期的に使用できるアイテムです。
時間当たりのコストで考えれば、1万円のハンモックを購入して半年間で壊れてしまうハンモックよりも、2万円のハンモックを購入して2年間楽しめる方が長期的なコストパフォーマンスとしては高くなります。
購入するハンモックは、耐久性の高いハンモックを選ぶことがおすすめで、特に体重の負荷がかかりやすい紐部分の強度が高い商品を選んでおくと、紐が伸び切ってしまったり使用していくうちに切れてしまったりする心配も低くなります。
安全性の高いハンモックか
ハンモックの使用途中に壊れて怪我をするということは万が一にも避けたいことです。
お子さんがいるご家庭では特に注意が必要で、子供では壊れる前の予兆に気付けずにハンモックへ負荷をかけてしまうことも考えられます。
価格が高ければハンモックの安全性が高いという保証はありませんが、ハンモックを選ぶ際はしっかりとした検査機関で品質テストの実施をしていたり、体重がかかっても壊れにくいような耐荷重が高いハンモックを選ぶようにすることが安全性の高いハンモックを選ぶ基準となります。
ハンモックを選ぶ際には、価格だけではなく利用するご自身やご家族の安全を考えた商品選びをしていただくと、後々後悔をせずに済むかもしれません。
コスパが良いハンモックとは何か?
私自身、様々なメーカーのハンモックを試してきた実体験から、ハンモックのコストパフォーマンスとは、「満足度が高い」「長く使えるか」が重要だと感じています。
前述した「寝心地が良い」「長く使用できる、耐久性の高い」「安全性の高い」の条件を備えていることを大前提とし、メーカーごとに違いがあるカラーバリエーションの中から自身が気に入ったカラーを選べると、コストパフォーマンスが良いと感じる買い物になるかと思います。
同じ商品なのに値段が違う理由
ハンモックをECサイトで調べていると、同じ商品なのに値段が違うケースを目にすることがあるかと思います。
Aショップでは20,000円で販売されているのに対し、Bショップでは18,000円で販売されているなどのケースがあります。
これは正規ショップか転売店舗かの違いであるケースが多く、転売店舗は値段を安く設定しショップは利益を少なくしてもより多くの数を販売するための戦略をとっているケースが多くあります。
値段が安いショップで購入することの問題点
同じ商品なのに値段が安いショップで購入する場合、何かしらのデメリットは抱えることになるということは理解しておく必要があります。
前提としては同じ商品で値段が安い場合は何かしらの理由があるため、事前にチェックをしておく事がおすすめです。
メーカー保証や交換・返品対応がなされない
まず販売店が正規のショップでない場合は、メーカー保証がつかないといったケースや、不良品の交換対応、返品対応もまともにされずに泣き寝入りせざるを得ないケースがあります。
海外の海外のメーカー(ブランド)品の場合は、日本での販売が正式に認められた販売代理店でない場合は、メーカー保証が受けられないという場合がほとんどです。
そのため購入後に予期しない不良や、正しい使用方法で使っていたハンモックに不具合が生じた場合も、交換対応などがなされないという事の発生可能性があります。
注文した商品が届かない場合もある
そもそも価格設定を安くしているショップの場合は、正規の商品ではなくよく似たコピー商品を販売していたり知識がなく違う型番の商品が届いてしまうということが報告としても挙がっています。
運営しているショップ自体が悪意を持ってコピー商品を販売しているケースや、悪意がなく海外横流し品(並行輸入品)を間違って仕入れて販売しているケースもあるので、値段が安くても希望の商品が届かない可能性はゼロではありません。
価格=品質ということでもないが。。。
一概に価格が高いから良いハンモック、安いから悪いハンモックということではないかと思いますし、流通しているハンモックの中には安くても品質が高い商品もある「可能性」はあります。
ただ、各社のハンモックを試してきた私の見解は、やはりしっかりとした商品は適正な価格で販売されていることが多い印象もあります。
ご自身でしっかりとハンモックに求めることを考えて、ぜひ求めることを満たすハンモックを選んでいただき楽しんでもらえると幸いです。
ハンモック購入の際には、購入者の口コミ評価も合わせて見ていただくと自分の目的に近い商品選びができると思いますので、ぜひ参考にして素敵なハンモックライフをお過ごしください。
K_Arafune
数多くの国内外ハンモックを使用して研究し、今ではVivere(ビブレ)ハンモックを愛用しています。
会社員として働く傍らで、お気に入りのVivere(ビブレ)ハンモックを多くの人に知ってもらうために、記事執筆等を通してマーケティング活動をしています。